紙って何からできてるの? 紙の原材料のおはなし
「紙は何から作られているの?」
「コピー用紙や新聞紙って同じ材料なの?」
紙の原料は木材と古紙がほとんどで、古紙も元は木材です。
紙パルプの原料となる木材を大きく分けると、ユーカリ・ポプラ・カバ・ブナ・ハンノキ・マングローブなどの広葉樹と、トウヒ・モミ・ツガ・赤松などの針葉樹の二種類があります。
普段何気なく使っている紙ですが、実は原料の違いによって性質や用途が大きく変わることをご存じでしょうか?
広葉樹と針葉樹は主構成細胞の形態が異なる為、作られるパルプの特性も異なります。
(細胞の壁の厚い広葉樹のパルプは嵩や不透明性が高く、地合の良い紙を作りやすいし、細胞の細長い針葉樹のパルプは引裂強度の高い丈夫な紙を作りやすい)
この記事では、紙の原材料や木材の種類ごとの特徴、そして身近な紙の具体例を詳しく解説します。
紙の原料は何?
紙の主な原料は、木材パルプと古紙パルプの2種類です。どちらも欠かせない存在ですが、その役割や特徴は異なります。
木材パルプとは
木材パルプは、木を細かく砕いて繊維(セルロース)を取り出し、紙の原料としたものです。
木材は大きく「広葉樹」と「針葉樹」に分けられ、それぞれ次のような性質を持っています。
広葉樹パルプ(ユーカリ・ブナ・ポプラなど)
繊維が短く太いため、不透明性やかさがあり、表面がなめらかな紙になります。
コピー用紙、ノート、教科書など「書きやすさ」「読みやすさ」が求められる紙に多用されます。
針葉樹パルプ(トウヒ・モミ・アカマツなど)
繊維が長く細いため、引裂強度や耐久性が高いのが特徴。
クラフト紙や段ボールなど、破れにくさや強さを必要とする用途に適しています。
木材パルプは「紙の性能を決める基盤」となり、用途によって広葉樹と針葉樹をバランスよく組み合わせて使います。
古紙パルプとは
古紙パルプは、使用済みの紙を回収して再利用することで作られます。
新聞・雑誌・コピー用紙・段ボールなどを溶かし、インクや異物を取り除いて新たな紙の原料にします。
メリット
森林資源の節約になる
CO₂削減など環境負荷を低減できる
ごみ削減や循環型社会の実現に貢献
用途
新聞紙や段ボール、再生コピー用紙、ティッシュ、トイレットペーパーなど幅広く利用されています。
技術の進歩により、近年では印刷用紙でも高品質な古紙パルプが使われるようになっています。
古紙パルプは「環境にやさしい紙づくりの柱」として、現代の製紙産業に不可欠な存在です。
身近な紙の種類とその特徴
新聞紙
新聞紙は、古紙パルプを多く配合して作られる代表的なリサイクル紙。
通常、古紙の配合率は60~80%と高く、森林資源の節約やごみ削減に大きく貢献しています。
インクが吸収されやすく、大量印刷を短時間で行えるため、毎日発行される新聞に最適です。
白色度は低く、やや灰色がかった色調が特徴ですが、この落ち着いた色合いが「包装材」や「下敷き紙」として再利用しやすくもあります。
ペットのトイレ用や引越し時の梱包など、暮らしの中でも幅広く再利用されています。
無地新聞紙
梱包時の隙間を埋めるのに大活躍、アイデア次第で様々な用途に!
コピー用紙
コピー用紙はオフィスや学校で最も身近な紙で、「Plain Paper Copier(普通紙複写機)」で使用されることからPPC用紙とも呼ばれます。
主に上質紙や再生紙が原料で、表面はなめらかに仕上げられており、トナーやインクがしっかりと定着して裏写りしにくい特性を持っています。
上質紙と再生紙で白色度は違いますが、文字がくっきりと印刷され、文書の読みやすさにも優れています。
近年は再生紙タイプの他、森林認証紙などを使用した環境配慮型の製品も普及しており、企業のCSR活動の一環としても注目されています。
再生コピー用紙 N-70
古紙配合率70%と環境に配慮したわら半紙のような低白色度コピー用紙
チラシ、カタログ、パンフレット、ポスター
広告や販促に使われるチラシ、カタログ、ポスターには、アート紙やコート紙などの塗工紙が用いられます。
上質、中質紙ベースの紙にクレーや炭酸カルシウムなどを塗布し、塗工層を設け、表面を平滑に仕上げることで、印刷インキの着肉性・色の濃度・光沢・網点の再現性を高めています。
これにより写真やデザインが鮮やかに再現でき、美しい仕上がりが得られます。
ツヤのあるグロス系のほか、光の反射を抑えたマットコート紙もあり、落ち着いた雰囲気を演出したい印刷物に向いています。
雑誌の表紙やカレンダー、美術印刷にも広く使われ、印刷物の品質を左右する重要な紙です。
グロスコート紙
グロスコート紙は製造過程で塗料を塗布した後に強く圧力をかけるため、用紙表面の平滑性が高く光沢が出ます。
一般的には「コート紙」と言った場合には光沢のあるグロス系の「グロスコート」を指します。
包装用紙(クラフト紙・段ボール)
ショッピングバッグや封筒にはクラフト紙が多く使われます。
クラフト紙は長い繊維を生かして作られているので、とても強くて破れにくいのが特徴です。
未晒(漂白していない茶色のまま)と晒(漂白して白いもの)があり、用途によって使い分けられます。
また、野菜や果物などの輸送に欠かせない段ボールは、波形の中芯と平らなライナーを組み合わせた構造で、軽くて丈夫。
環境負荷の少ないリサイクル資源としても重要です。
クラフト紙
紙の繊維が長く、質感もややざらっとします。
見た目にわかるほど毛羽立つ和紙のようなものではありませんが、手を滑らせると、ややふわっとした質感です。
また、原料である木材の色を残した用紙で、ザラザラとした手触りが特徴です。
紙は「木材パルプ」と「古紙パルプ」を組み合わせて作られ、広葉樹と針葉樹の特性を活かすことで多様な用途に対応しています。
グラシン紙(半透明でチョコレートの中敷や封筒の窓に使われる)や、亜麻を使ったライスペーパー(タバコの巻紙)など用途に合わせて作られるような機能紙は上記で紹介しきれていない紙はまだまだありますが、それぞれの紙が持つ特徴は、すべて原料の違いから生まれています。
紙の原料について理解すると、身近な紙製品がどのように作られているのか、より深く知ることができるのではないでしょうか。


