【就職課の皆さまへ】配布用履歴書に最適な「紙」選びとは? 〜学生の印象を高める用紙の選び方〜
学生たちが就職活動を進めるなかで、履歴書の作成は避けて通れない重要なステップです。
特に近年では、履歴書をパソコンで作成し、自宅やコンビニなどでプリントアウトするスタイルが一般化してきました。
しかしながら、「印刷用紙の選び方」に関しては、指導が行き届かず、学生自身も悩んでいるケースが多いのが現状です。
そこで今回は、紙の専門家の立場から、学校で配布する履歴書に適した用紙の選び方について詳しくご紹介します。
学生にとって“最初の一枚”となる履歴書だからこそ、就職課の皆さまにも用紙選びに目を向けていただきたいと考えています。

なぜ「紙質」が重要なのか?
履歴書という書類は、単なる情報を記載する紙ではなく、学生の人柄や志望度を伝えるためのツールです。
採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通しているため、内容はもちろんのこと、用紙の質感や厚み、清潔感といった視覚・触覚の印象も、評価に影響を与えかねません。
薄くてペラペラの紙で出された履歴書よりも、しっかりとした厚みがあり、文字が鮮明に印刷された履歴書の方が、「きちんと準備をしている」「丁寧な人だ」という印象を与える可能性が高くなります。
学生にとっては、ほんの数円の差かもしれませんが、企業側には“気遣い”として確実に伝わります。
推奨される用紙は上質紙
履歴書の印刷には、「上質紙(90kg)」の使用をおすすめします。
上質紙とは、化学パルプ100%で構成された、表面にコーティング加工のない白色紙です。
艶がなく、インクの吸収性と発色のバランスが良いため、モノクロ印刷の文字も鮮明に読みやすく、さらに手書きにも適しています。
一般的なコピー用紙は厚さが約0.08〜0.09mmであるのに対し、履歴書に推奨される上質紙は0.1〜0.15mm程度で市販されている履歴書用紙も、ほぼこの厚みに該当します。
印刷の仕上がりはもちろん、手に取ったときの質感に違いが出るため、応募書類としての格が一段上がる印象を与えます。
とくにおすすめなのが、90kg(約0.12mm)の上質紙です。
見た目は普通のコピー用紙と変わりませんが、しっかりとした張りがあり、折れやすさや透けにくさが大きく改善されます。
110kg(0.15mm)も履歴書としては使える厚さですが、「しっかり感」が出すぎてしまい人事の方に仰々しいイメージを与えかねる可能性があるので注意が必要です。
上質紙 90kg (104.7g/㎡)
バージンパルプ100%」の「非塗工」の紙。
表面に印刷用のコーティングが施されていないため、表面はパルプが露出しているので平滑度はやや低く、触るとわずかにパルプの凸凹が感じられサラサラとしています。
鉛筆やサインペン、ボールペンなどで書いた場合にインキが乾きやすく、筆記性に優れています。また、インクジェットプリンターやレーザープリンターの印字をきれいに再現することができます。
コピー用紙でも問題ない?──「不可」ではないが、「ベスト」ではない選択
「コピー用紙に印刷してもいいですか?」という学生からの質問は、就職課でも頻繁に寄せられるかもしれません。
結論から申し上げると、コピー用紙でも提出は可能ですが、選択肢としては“ベター”ではありません。
コピー用紙は安価で手に入りやすく、自宅や学校のプリンターでも問題なく使用できますが、多くは薄手で、印刷した内容が裏から透けて見えたり、手に取ったときに安っぽい印象を与えてしまったりすることがあります。
学生にとっては印刷費を節約したい気持ちもあるでしょうが、就職活動は人生の分岐点でもあります。
最初に企業と接点を持つ履歴書の質が、第一印象に直結することを、ぜひ伝えてあげてください。
用紙サイズの正しい選び方──学校配布の履歴書にもサイズ対応を
履歴書の一般的なサイズは、以下の2パターンが主流です:
A3二つ折り(見開きA3 → 折ってA4サイズ)
B4二つ折り(見開きB4 → 折ってB5サイズ)
しかし、家庭用プリンターではA3やB4サイズに対応していないことが多く、学生はA4サイズまたはB5サイズの2枚構成で印刷せざるを得ない状況もあります。
この形式でもマナー違反にはなりませんが、2枚構成にする場合は、ページ番号を明記し、左上をクリップで留めるなどの指導が必要です。
もし学校で配布する履歴書用紙を準備するのであれば、家庭用プリンタ対応の「A4・B5用の上質紙2枚組」や、「A3サイズに片面ずつ印刷できる折り加工済みの専用用紙」などを用意するのも良い方法です。
写真は必ず実物貼付を指導──印刷写真は好印象を損なう恐れも
パソコンで履歴書を作成する場合、証明写真をデータとして挿入し、そのまま印刷してしまう学生が一定数います。
確かに手間は減りますが、印刷した証明写真は解像度が低く、顔の輪郭がぼやけてしまいがちです。
その結果、「手抜き感」や「本気度の低さ」を印象づけてしまうリスクがあります。
履歴書に貼る写真は、コンビニや写真館でプリントされた実物の証明写真を、糊や両面テープで丁寧に貼付することが基本マナーです。
デジタル化が進む中でも、紙の履歴書における“ひと手間”が、学生の誠実さを伝える大切な要素となります。
封筒にも気を配る
履歴書を提出する際、書類そのものの内容や紙質と同様に、封筒の選び方や扱い方も企業側に与える印象を左右する重要なポイントです。
履歴書を配布する就職課としても、学生が安心して提出準備を進められるよう、封筒に関する基本マナーもチェックしましょう。
適切な封筒のサイズは?
履歴書を折らずに提出する場合、A4サイズの場合は「角形2号(角2)」の封筒、B5サイズの場合は「角形3号(角3)」が基本です。
「角形A4号(角A4)」、「角形4号(角4)」サイズでもA4サイズ、B5サイズの用紙は入りますが、ぴったりすぎるサイズです。
クリアファイルに履歴書を入れたり、他の書類もいれる可能性を考えると「角形2号(角2)」、「角形3号(角3)」サイズの封筒が安心です。
やむを得ずを三つ折りにする場合は「長形」の封筒でも対応可能ですが、ビジネス文書としてはやや略式の印象となるため、できる限り折らずに封入できるサイズの封筒を選ぶよう指導しましょう。
封筒の色は?茶封筒か白封筒か?
封筒の色については、「白封筒」が基本マナーとされています。
茶封筒は事務用・社内文書用のイメージが強く、公式な書類の提出にはあまりふさわしくありません。
白封筒は清潔感があり、履歴書や職務経歴書などの大切な書類を丁寧に扱っている印象を与えられます。また、企業によっては応募書類の封筒の色に指定がある場合もありますので、募集要項の指示に従うことも重要です。
角2 ホワイト封筒 80g/㎡ ファインタック付
角形2号は角2(かくに)封筒とも呼ばれる定形外封筒で、A4サイズが折らずに入ります。
一般的なA4用クリアファイルに入れても充分に入る大きさで事務封筒としては勿論、チラシやカタログ、A4サイズの雑誌・書籍などを郵送する際にも便利です。
また、履歴書を送付する際にも角2封筒が1番使われます。
角3 ホワイト封筒 80g/㎡ ファインタック付
角形3号は角3(かくさん)封筒とも呼ばれる定形外封筒で、B5サイズが折らずにぴったり入ります。
ノートや履歴書、週刊誌の封入に適しています。「角4封筒」も同じB5用紙に対応していますが、角3は角4に比べ、幅が少し広いため、厚手の封入がしやすいのが特徴です。
印刷ミス・汚れ・折れを見逃さない──最終チェックの習慣づけ
せっかく良い紙を選び、きれいにレイアウトされた履歴書であっても、インクのかすれ・汚れ・折れシワなどがあると、提出前の確認ができていない=詰めの甘さとして評価されてしまいます。
学生には、「印刷前に誤字脱字、印刷後に紙面状態を確認し、必ずクリアファイルに入れて持参・提出する」ことを習慣づけていただくよう、声がけをお願いします。
これは書類選考突破の基礎であり、ビジネススキルの第一歩でもあります。
用紙の準備:学生が安心して使える環境づくりを
学生が自分で履歴書用紙を用意するとなると、どこで買えばいいのか、どんな厚さが良いのか迷ってしまうものです。
そこで就職課であらかじめ上質紙を常備し、希望者に配布する取り組みも非常に有効です。
以下のような場所で、上質紙や履歴書印刷用紙の購入が可能です:
家電量販店(プリンター用上質紙を各種取り扱い)
文具店・ホームセンター(厚口用紙やA3用紙あり)
インターネット通販(A3二つ折り対応の履歴書印刷紙なども充実)
学校での一括購入や備品としての導入もご検討ください。
紙に慣れない学生ほど、用紙の違いが仕上がりに直結するため、支援の手を差し伸べることで大きな安心感を与えられます。
履歴書は、学生の第一印象を企業に伝える大切な書類です。
その内容はもちろんのこと、「どのような紙でどんな状態で提出されているか」という点も、見過ごせない評価ポイントとなります。
就職課で配布する履歴書用紙、もしくは学生が印刷する際のアドバイスとして、上質紙の使用を推奨し、適切な印刷サイズや写真の扱いについても、今一度周知をしていただければと思います。
「たかが紙、されど紙」。
学生の未来を左右する一通の書類が、より良い形で企業のもとへ届くよう、紙の選び方にも心を配っていただけたら幸いです。