督促状の封筒の色|開封率を上げる段階別の使い分けと用紙選び
督促状は、税金や公共料金、クレジットカード、携帯料金など、さまざまな場面で送付される重要な通知書です。
送る側にとって最大の課題は「確実に開封し、対応してもらうこと」にあります。
本記事では、督促状の封筒の色が受け取る人にどう伝わるのか、送る側はどう色を使い分ければよいのか、そして印象を左右する用紙選びのポイントまで、送る側の視点で解説します。
目次
督促状とは
督促状は、支払い遅延に対して送付される通知で、以下のようなケースで使用されます。
- 税金の未納(住民税・固定資産税など)
- 公共料金の未納(電気・水道・ガスなど)
- クレジットカードの未払い
- 銀行ローンや消費者金融の延滞
- 携帯電話料金の未払い
こうした通知は、支払いの状況に応じて段階的に内容やトーンを変えることが一般的です。
この「段階」を受け取る人に一目で伝える手段として、封筒の色が活用されています。
封筒の色は受け取る人にどう伝わるか
封筒の色は、開封するかどうか、どれくらい急いで対応するかという受取人の行動に、視覚的な印象を通じて影響を与えます。
一般に、封筒の色が白から黄色、赤へと濃く・目立つものになるほど「緊急度が高い」と受け止められる傾向があります。
これは信号機の色に近い直感的な連想で、多くの受取人に共通する感覚です。
色ごとの印象を整理すると、次のようになります。
| 封筒の色 | 意味・特徴 | 受取人への印象・心理的効果 |
|---|---|---|
| 白色 | 初回通知・支払い案内 | 穏やか・一般的な印象で警戒されにくい |
| 青色 | 通常の督促・再通知 | 冷静な警告・信頼感。落ち着いて対応を促す |
| 黄色 | 滞納が続く段階の警告 | 注意喚起・視認性が高い。見落とされにくい |
| 赤色 | 最終督促・差押予告 | 強い緊急性・行動喚起。切迫した印象を与える |
| 黒色 | 催告・差押関連 | 威圧感・重厚感。すぐに開封させる狙い |
送る側は封筒の色をどう使い分けるか|段階別の設計
督促の進行に合わせて色を変えることで、受取人に自然に緊急度が伝わり、放置されにくくなります。
基本の段階設計(青→黄→赤)
督促の段階に応じた、基本的な色の使い分けは次の通りです。
- 初回督促 → 青色や白色(軽い警告・落ち着いた案内)
- 2回目以降の督促 → 黄色(強めの警告・注意喚起)
- 最終督促・法的措置前 → 赤色(強い緊急性・行動喚起)
段階が進むほど色を濃くしていくことで、受取人は封を開ける前から「前回より深刻だ」と直感的に理解できます。
業種別の使い分け例
クレジット会社・金融の場合
- 請求書・初回督促:白色または青色
- 再通知:青色または黄色
- 最終督促(法的措置の可能性あり):赤色
公共料金の場合
- 初回の支払い案内:白色、青色
- 支払い期限超過後の警告:黄色
- サービス停止・強制回収の予告:赤色
封筒の色に全国共通のルールはない
ここで一点、送る側として押さえておきたいのは、封筒の色分けを定めた法律や業界共通のルールは存在しないという点です。
色はあくまで自社(自組織)の運用ルールとして設計するものだからこそ、段階ごとに色をどう割り当てるかは送る側の裁量で決められ、工夫の余地が大きい領域だと言えます。
【事例】色で開封率・回収率は本当に上がるのか

「色を変えて本当に効果があるのか」という疑問は、送る側にとって当然のものです。
実際に、封筒の色やデザインの改善で成果を上げた事例やデータが報告されています。
東京都町田市の検証(公的データ)
町田市の納税課は、最終催告書の封筒について、赤色と黄色の効果を比較する検証を行いました。
2019年12月から2020年1月にかけて、未納者に赤色と黄色の封筒を半数ずつ、あわせて9,418件送付し、1か月後の納付状況を集計したものです。
結果は、黄色の封筒が納付率30.0%だったのに対し、赤色の封筒は35.0%と、赤色のほうが高い納付率を記録しました。
半数ずつを同条件で比較して差が出たという点で、色の効果を示す説得力のあるデータです(出典:町田市財務部納税課「催告時の色付封筒の検証結果及び取扱いについて」)
東京都文京区の「レインボー封筒」
文京区の税務課では、督促状や催告書の封筒に、白・緑・黄色・ピンクの波線を縦に並べた独特のデザインを採用しています。
背景には、白い封筒では気づかれないまま放置され、延滞金が余計にかかってしまう例があったという事情があります。赤や黒は威圧感や不評が理由で避けられ、試行錯誤の末に「思わず中を確認したくなる」目立つデザインにたどり着いたと言われています。
奈良県香芝市の段階別デザイン
香芝市は、催告書が他の郵便物に混在して内容を確認されないまま納期限を過ぎてしまう事例があったことを受け、令和6年に封筒デザインを視認性の高いものへ変更しました。
- 納税通知書:青系の一般的な封筒
- 督促状:オレンジ色に「重要」「必ず開封してご覧ください」を表記
- 催告書(複数回)・差押予告:黄色+黒の縞模様に「すぐに開封! OPEN IMMEDIATELY」「重要」を表記
段階が進むほど、より視認性が高く緊急性の伝わるデザインへ切り替える設計です。
この取り組みは、封筒デザインの一新で徴収率向上の効果が確認されている平成29年の奈良県、平成30年の奈良市の先行事例を参考に、香芝市が徴収率の向上を目指して実施したものです(出典:香芝市「市税滞納者等に対する催告書封筒のデザイン変更について」)
こうした事例に共通するポイントは、「目立つ」+「重要性が一目で伝わる」ことです。
他の郵便物に埋もれず確実に開封してもらう——この視点が、色とデザインの設計における共通の狙いになっています。
督促以外にも使える「色の活用術」
封筒の色がもたらす心理効果は、督促状だけでなく販促物や各種通知にも応用できます。
赤・オレンジ系(緊急性・訴求力)
- 最終督促・重要通知
- 緊急のお知らせ
- 期限付きキャンペーン
黄色(注意喚起・視認性)
- 未対応の通知
- 確認依頼や期限が近い案内
- 見落とし防止が必要な書類
- セール通知
ポイント:視認性が高く、見落とし防止に効果的です。ただし同じ黄色系でも、淡い色は「安心感」を与える印象になり、鮮やかな色とは大きく異なります。
青系(信頼・安心)
- 請求書・契約書
- 法務・金融関連書類
ポイント:安心感を与え、ビジネス用途に最適。
緑系(安心・やさしさ)
- 福利厚生案内
- 健康・環境関連資料
白(万能・フォーマル)
- 公的書類
- 一般的なビジネス文書
用紙選びで差がつく「色上質紙」
ここまで見てきた「色による段階の伝え方」を実現するには、色のバリエーションが豊富な用紙が欠かせません。そこでおすすめなのが色上質紙です。
色上質紙は上質紙をベースに着色した紙で、表面は上質紙と同じくサラサラでマットな質感です。平滑な紙肌はオフセット印刷だけでなく、レーザープリンターやインクジェット、コピー機など様々なプリンターに適応する、使い勝手の良い紙です。
カラーバリエーションが豊富で、黄色系や緑系など柔らかな色合いから、青・ピンク・オレンジまで幅広く展開しているため、督促の段階設計に合わせた色を揃えやすいのも利点です。
色上質紙の詳細は下記のページをご覧ください。
封筒には「カラークラフト封筒」もおすすめ
同じ色でも「紙の質感」で印象は変わる
色の選び方と並んで見落とせないのが、紙の質感です。
例えば同じ赤でも、紙の質感によって受け取る印象は大きく変わります。

| 用紙名 | 質感 | 印象・特徴 | |
|---|---|---|---|
| 1 | ファンタス アカ | ツルツル | 鮮やかで強い印象 |
| 2 | ケンラン ディープレッド | マット | 文字が読みやすく、丁寧で落ち着いた印象 |
| 3 | 五感紙 荒目 赤 | 荒いエンボス | 赤の中でも温かく柔らかい印象 |
| 4 | TANT V-52 | 細かいエンボス | 品を感じる落ち着いた印象 |
封筒の色や紙質は、単なるデザインではなく受取人へのメッセージそのものです。送る側が意識したいポイントは、次の3つに整理できます。
- 色で緊急度を伝える(段階に応じて青→黄→赤へ)
- デザインで開封を促す(目立つ+重要性が一目で伝わる)
- 紙質で印象をコントロールする(トーンに合わせた質感選び)
これらを組み合わせることで、督促状はもちろん、あらゆる通知・販促物の開封率や回収率を高めることができます。
町田市や文京区、香芝市などの事例が示すように、封筒の工夫は多くの自治体が実際に取り入れている施策です。
今回は督促状を例に挙げましたが、封筒や書類の紙を選ぶ際の考え方として、ぜひ参考にしてみてください。
当店では、色上質紙やカラー封筒のまとめ買い・大口注文にも対応しております。
- ご希望の色・サイズ・枚数
- 納期・在庫確認
- お見積り
など、お気軽にご相談ください。

