大正13年創業紙問屋直営の紙の専門店

お問合せ0258-24-2314

厚紙とはどんな紙?

厚紙とは、日常で使用されるコピー用紙やメモ用紙よりも厚い紙の総称で、使用されることの多い言葉です。

しかし、厚紙といっても様々な種類や厚みがあります。

それを全て「厚紙」と表現してしまうと曖昧な言葉になってしまい、うまく伝えることができない可能性もあります。

今回はそんな厚紙の、種類や厚さ、用途についてご紹介いたします。

厚い紙の種類

厚い紙には、大きく分けて洋紙と板紙、特殊硬質繊維ボードの3種類の分けられます。

洋紙

洋紙と呼ばれる一般的な印刷用紙やメモ用紙のなかで、厚手のタイプや厚口と言われる厚さの紙を厚紙と呼びます。

板紙

一般的に板紙は、洋紙よりも厚い紙の総称で、ボール紙とも呼ばれます。

本の表紙や箱、パッケージなど、紙強度が必要な場所で使われることが多いです。

特殊硬質繊維ボード

一般的な板紙よりもさらに硬い「特殊硬質繊維ボ-ド」という素材もあります。

原料は木材繊維ですが、プラスチックのような硬さがあり、プラスチックの代替品として注目されています。

  洋紙 板紙 特殊硬質繊維ボード
製法 単層抄き

多層抄き(積層紙)

繊維を圧縮

原料 パルプ 木材パルプ、わらパルプ、廃紙などの古紙利用率が高い 木材やパルプの繊維
強度 軽く柔軟性がある 耐久性がある プラスチックのような硬さがある
用途 印刷・筆記・作品制作 パッケージ・紙器・紙箱・建材原紙 プラスチックの代替

 

洋紙(厚紙)について

カードやポストカード、賞状などを作る際によく使われ、絵を描いたり、手作り作品を作るときにも選ばれることが多いです。

洋紙はパルプを主な原料とし、1枚の層で抄いて作る単層抄きで作られています。

厚紙と呼ばれる一般的な印刷用紙として、主に上質紙色上質紙コート紙マット紙が挙げられます。

その他に、画材や工作に適した厚紙として、画用紙ケント紙があります。

上質紙

上質紙

上質紙は表面に印刷用のコーティングが施されていないため、表面はパルプが露出しているので平滑度はやや低く、触るとわずかにパルプの凸凹が感じられサラサラとしています。

パルプ比率が高いので、コーティングを施した用紙に比べると紙にコシがあり、強度も高いところが特徴です。

上質紙の詳細についてはブログ「上質紙とは」をご覧ください。

色上質紙

色上質紙

上質紙をベースに着色した紙で、洋紙の中でも歴史は古く品質の安定したポピュラーな紙。

表面は上質紙と同じくサラサラしたマットな質感で、様々なプリンターに対応したお洒落なカラー用紙です。

色上質紙の詳細についてはブログ「色上質紙とは」をご覧ください。

コート紙

コート紙

グロスコート紙は、塗工紙(塗料で表面がコーティングされた用紙)の一種です。

グロスコート紙は製造過程で塗料を塗布した後に強く圧力をかけるため、用紙表面の平滑性が高く光沢が出ます。

一般的には「コート紙」と言った場合には光沢のあるグロス系の「グロスコート」を指します。

マット紙

マットコート紙

マットコート紙は紙の表面に塗工層を施された塗工紙(コート紙、アート紙、微塗工紙など)の中でも低光沢で艶を抑えた紙の事を指します。

紙面を落ち着いた雰囲気にしたい時に選択していただくとその効果を実感いただけます。

マットコート紙は同じ斤量でも光沢のあるコート紙(グロス紙)に比べ厚みが出る事も魅力で、ページの少ない児童向けの絵本の本文に使われていたりします。

 

 

マシュマロCoC

マシュマロCoC

高白色で高い平滑性を持った非塗工の高級上質紙です。
オフセットからインクジェット、レーザーなど様々な印刷機に対応できるマルチペーパーの定番洋紙です。


マシュマロという名前が示すように、指先へのやわらかい感触と、繰り返し使っても、へたることのない強さが人気の秘密で、賞状用紙にもおすすめです。

賞状用紙についてはブログ「賞状や証書に使う紙について」をご覧ください。

 

ケンラン

ケンラン

平滑性が高く、適度な弾力性と厚みがあり、鉛筆やペン、水性絵具など多くの筆記具や画材と相性が良いケント紙

消しゴムを使った時に紙面の毛羽立ちが少ないのが特長です。

製図やデザイン用、水彩などに使用されます。

厚紙の厚さ

上質紙を例に厚さについてご説明いたします。

同じ上質紙でも、厚さにいくつものバリエーションがあります。

連量(四六判) 厚さ コピー用紙との比較 用途
45kg 約0.07mm コピー用紙よりも若干薄い チラシ、折り込み広告
55kg 約0.08mm コピー用紙やノートと同じくらいか若干薄い

一般的なコピー用紙

70kg 約0.10mm コピー用紙やノートと同じくらい 資料、レポート、本文用紙、リーフレット
90kg 約0.12mm コピー用紙よりも厚い

冊子の表紙、パンフレット会社案内、サービス券

110kg 約0.15mm コピー用紙の1.5倍ほど厚い 薄手のハガキ
135kg 約0.18mm コピー用紙の2倍程の厚さ パンフレットやカタログ、表紙、次第
180kg 約0.24mm コピー用紙より2.5倍厚め

賞状、名刺、官製ハガキ

※四六判:788mmx1091mm

紙業界では、紙の厚みを重さによって分けており、連量とは紙1000枚の重さを表します。

上記ですと788mmx1091mmの紙が1000枚の時の重量が連量です。
連量が重いほど厚い紙であるという、紙の厚みを知る目安の一つとなります。

ここで注意しなければいけないことは、厚紙には明確な厚さの定義はないことです。

一般には135kg以上の紙を厚紙の呼ぶことが多いですが、捉え方には個人差があります。90㎏以上を厚紙と捉える人もいますし、180kgでも薄いと感じる人もいます。

「厚紙」で商品を探しても求めている紙を見付けるとが困難な場合がありますので、厚さのバリエーションがある紙を選ぶ際には、用途に応じて紙の厚さを選んでいただければと思います。

板紙について

板紙は一般的に厚い紙の総称で、ボール紙とも呼ばれます。

板紙の原料は、木材パルプ、わらパルプ、廃紙などの古紙の利用率が高く環境に配慮した製品が多くあります。複数の層を重ね合わせて紙を抄く多層抄きで作られるものが主体で、重ね合わせるパルプ層の数や種類に応じてさまざまな材質の紙を生産できます。

紙箱や紙器、本の表紙、建材など、生活のさまざまな場面で利用されています。

フリューサンド

フリューサンド

長く使われ親しまれており、模様やエンボスもないシンプルな、塗工されていないノーコートカード紙です。

 

特殊硬質繊維ボードについて

厚紙・板紙以外の厚みのある紙に「特殊硬質繊維ボ-ド」があります。

原料は木材やパルプなどの繊維で、圧縮して繊維をからませることで板の内部が強くなり、硬い性質を持つようになります。

紙自体に厚みもありますが、厚みに加え硬さ(硬質性)、耐久性が他の厚紙・板紙とは大きく異なり「まるでプラスチックのような硬さ」と、プラスチックの代替品として注目されています。

「脱プラ」が求められているなか、特に強度が求められる産業用途や、環境に配慮した製品開発で重宝されます。

 

厚い紙でも沢山の種類と、それぞれの特徴があります。

馴染みのない用紙もあるかと思いますが、用途に応じて適切な紙を使用できれば製品のクオリティーをより上げられるのではないでしょうか。

カテゴリ一覧