ケント紙とは
ケント紙って聞いたことありますか?
聞いたことはあるけど「実際に使ったことがある」方は案外少ないのではないでしょうか。
そもそも「ケント」とはどういう意味なのか?厚さやサイズにはどのようなものがあるの?
知らなかったけれど、今さら聞きにくいケント紙のあれこれを調べてみました。
「ケント」って何?
ケント紙は、イギリスのケント地方から輸出されていたことから、その名がつけられました。
ちなみに「ケント紙」は日本でのみ使用されている名称です。
主に化学パルプを使用して製造されますが、一部の画材用に特化したものは、木綿などの天然繊維が使われているものもあります。
色は基本的には純白で、表面が非常になめらか、油性ペンでの筆記でもインクがにじみにくいです。
また他の用紙と比べて、特に表面が硬く消しゴムなどで毛羽立ちにくいため、精細な製図やデザインの作業に最適です。
ケント紙の条件
ケント紙が高品質であるためには、以下の条件を満たす必要があります。
純白であること: 純度の高い白い色。
表面の均一性: 表面が滑らかで凹凸がない。
毛羽立ちにくさ: 消しゴムを使用しても繊維が毛羽立たない。
筆記性: 鉛筆やペンが引っかからずにスムーズに書ける。
耐インク性: 油性インクなどにもにじまない。
優れた発色: 画材の発色が良好である。
保存性: 長期保存ができる。
ケント紙の用途
ケント紙はその滑らかな表面と高い精度から、精密な製図作業に最適です。
表面が固く滑らかな表面、様々な厚さから選べることで画材用紙としても定評があります。
また、インクの乗りが良いため、漫画やイラストの原稿用紙としても広く使用されています。
さらには、写真などの印刷にはあまり向いていませんが、余白に書き込みができるため、名刺、パンフレット、カード、カレンダー、案内状、招待状などにもよく利用されています。
長期保存に優れているので、賞状や領収書、また表面の平滑性、堅牢性を活かして紙飛行機・紙器類などさまざまな分野で使用されています。
白い紙の代表格である「上質紙」や「コピー用紙」も同じような使い方をしますが、何が違うのか気になる方はコチラもチェックしてみて下さい。
ケント紙の厚さとサイズ
厚さの測定単位
紙の厚さを測定する際には、以下の3つの単位が使用されます。
坪量(g/m²): 1平方メートルあたりの用紙の重さを示します。
連量(kg): 一定のサイズにカットされた紙1000枚の重さを示し、主に印刷業界で使用されます。
厚さ(mm): 紙の物理的な厚みを示します。
ケント紙の厚さはおおよそ、0.12~0.5mmの範囲で作られていて、サイズは全判が4/6判(788mm×1091mm)のものが一般的で、KAMIOLSHOPでは、基本的には4/6判のサイズをA4、A3、B5、B4などのサイズに断裁して小ロットから販売しています。※KAMIOLSHOPでは指定寸法での断裁ができますので是非ご利用ください。
用途別用紙の厚さ
以下は、弊社で一番販売実績のある「北雪ケント」紙の厚さとその主な用途の一覧です。
紙の厚さ(mm) | 用途や使い道 |
---|---|
90kg(0.12mm) | フライヤー・チラシ・履歴書 |
110kg(0.15mm) | 厚めの冊子本文・DVD、CDのジャケット |
135kg(0.19mm) | カレンダー・チケット |
160kg(0.23mm) | 薄めの賞状・名刺 |
180kg(0.25mm) | 賞状・厚めの名刺、ショップカード |
225kg(0.29mm) | 紙飛行機、ペーパークラフト |
265kg(0.34mm) | 画紙、教材用カード |
309kg(0.40mm) | 絵札 |
360kg(0.43mm) | カルタの札 |
北雪
雪のような白さと、幅広い連量バリエーションが特徴。
全8色からお選びいただけます。高白色のケント紙の代表的な用紙で、北雪ケントと呼ばれることもあります。
テクスチャーとしては表裏面ともにさらっとしていて、筆記性に優れているので記入することはもちろん、スタンプの捺印も可能となっております。
いろんなところで使われているケント紙
ケント紙は、これらの範囲の厚さを持つため、メモ用紙から箱作りまで様々な用途に対応可能です。
滑らかで純白なケント紙は、筆記用や贈答用紙など、多様な用途に利用されています。
診療明細書や見積書など、身近なところでもケント紙が使用されていることに気づくでしょう。