賞状・証書に使う紙について 紙質や紙の種類は?

今回は、賞状用紙についてのお話です。
賞状や表彰状は学校での卒業証書や会社での表彰状・辞令・感謝状・皆勤賞・推薦状などに使われることが多いですが、用紙にはどのような紙が使われていると思いますか?
改めて考えてみると、多くの方がピンとこないと思います。
この記事では賞状用紙についてご紹介させて頂きます。
目次
賞状や証書にはどのような紙を使うのか
結論から言うと賞状や証書で使われている用紙の紙質は基本的に上質紙(じょうしつし)です。
ケント紙(ケンラン)などもありますが、大枠としては上質紙の一種です。
高級なものでは局紙(きょくし)と呼ばれる紙が使われていたりもします。
「局紙」という名前の由来は、かつての大蔵省印刷「局」から来ています。
この「局紙」というのは明治の頃、大蔵省抄紙(しょうし)局が紙幣を印刷する為に、「印刷のしやすさ」と「耐久性」を兼ね備えた紙が求められ、越前の紙漉工の技術指導によって開発された紙幣用の紙です。
当時としては最先端の技術で、製造時に表面に圧力をかけて滑らかにすることで印刷品質を高めていて、逆に裏面には圧がかかっていないので、和紙のように少しザラっとした手触りになります。
紙幣の他、かつては株券などにも使用されていました。現在も賞状用の紙として、伝統的な製法で作られています。

上質紙(じょうしつし)
表面にコーティングが施されていないため、光沢が無く、さらさらとした手触りの用紙になります。
パルプ比率が高いので、コーティングを施した用紙に比べると紙にコシがあり、強度も高いところが特徴です

局紙(きょくし)
紙質は緻密で光沢があり、印刷適正と耐久性が高いことから高い評価を得ています。現在では免状用紙、証書用紙、小切手、名刺等に使われています。その厚みと耐久性、ツヤ、印刷時の美しさで世界的に評価を受けている紙となります。 海外では日本羊皮紙(にほんようひし)あるいは植物性羊皮紙(しょくぶせいようひし)として有名になりました。

マシュマロCoC
高白色で高い平滑性を持った非塗工の印刷用紙。
オフセットからインクジェット、レーザーなど様々な印刷機に対応できるマルチペーパーです。
特徴は、なめらかな肌合いと、しなやかな紙腰です。
マシュマロという名前が示すように、指先へのやわらかい感触と、繰り返し使ってもへたることのない強さが人気の秘密で、す。

ケンラン
色付きカード紙の定番で、40色以上のカラー、7種類以上の厚みを取り揃えた「ケンラン(絢爛)」です。表裏差がなく、平らでツルツルとした手触りと微妙な光沢があり、色数が豊富です。
印刷適性も良好で、箔押しとの相性が良いです。
賞状や証書として使用される紙質の条件は?
賞状や証書として使用される紙の条件は「劣化しにくく、厚紙で、地合いが良い紙」だと思います。
紙の劣化などに関しては、上質紙のような洋紙は晒クラフトパルプなので色が劣化するリグニンという成分がなく、局紙のような和紙は原料が変色や劣化が少ないミツマタなのでどちらも劣化しにくい紙になります。
地合いが良いというのは「表面がぼこぼこしていない」「紙の抄(す)きムラが少ない」「手触りがすべすべしている」ことです。
上記条件にあてはまるのが厚めの上質紙や局紙といった和紙で、一般的な賞状によく見かけるものだと思います。
白またはクリーム色が一般的
賞状用紙の色は、白またはクリーム色の2色が一般的です。
明るい印象の白色の賞状用紙は、大会やイベントの成績を表彰する賞状によく使用されます。また、学校行事などで使われる簡易的な賞状にもおすすめです。
クリーム色は白色と比べて落ち着いて高級感があるのが特徴です。格式高い印象を与える為、感謝状や表彰状、卒業証書などに多く使用されています。
厚さは約0.18mm~約0.25mm
紙厚は、約0.18mm~約0.25mmと厚いものが使用されることが多いです。
もらう側としてもコピー用紙のような紙厚の薄い賞状をもらってもありがたみがないですし、すぐに角が折れたりもします。
しかし、プリンタ印刷の場合はレーザープリンタで印刷できる厚みが決まっていますので、それ以上厚いと紙が詰まったりトナーが定着しなかったりします。プリンター印刷の場合は印刷可能な紙厚を事前に調べる必要があります。
手書きの場合は紙厚に制限がありませんので、紙厚が厚い紙を使用でき、より高級感のある賞状や証書を作ることが可能となります。
賞状のサイズについて
賞状のサイズは、会社や学校をはじめさまざまな機会でよく使用されるB4、A4などのJIS規格に沿ったものだけではありません。
JISとは異なる規格によるサイズで展開されていることも多いです。
サイズ(単位:mm) | 備考 | |
A4 大 | 218X308 | |
B4 大 | 273X394 | |
A3 大 | 297X420 | |
八二(はちに) | 273X394 | B4(大)よりもやや横長か縦長 |
七〇(しちじゅう) | 303X424 | A3に近い大きさ |
四一(しいち) | 394X545 | A2より小さくB3より大きい |
叙勲(じょくん)賞状 | 595X420 | JIS規格のA2とほぼ同じ |
褒章(ほうしょう)賞状 | 515X364 | JIS規格のB3と同じ |
位記(いき)賞状 |
299X215、306X215 |
JIS規格のA4に近い |
ただし賞状用紙サイズは厳密に決まったものでありませんので、メーカーによって若干の差異があり、各所で提示されている規格が全国共通でないこともあります。
同じ名前の規格だからといって同じサイズだと決めつけず、サイズを確認するほうが無難でしょう。
また、表彰状・賞状の用紙を額縁に入れる場合はきれいに収まるように、JIS規格サイズより少し大きめの寸法が一般的です。
当店では、ご希望に応じて賞状用紙を必要なサイズに断裁することも可能です。
断裁加工について、詳しくはこちらの記事をご覧ください「断裁加工とは?料金や頼み方など」
賞状・証書の保管方法
賞状の保管方法は、人によりさまざまです。
例えば、卒業証書をもらう際に一緒についてくる筒に、その時代にもらった賞状をまとめて入れて保管する人や、筒ごとに卒業証書、資格の合格書、部活の賞状などのカテゴリ分類して入れる人もいます。
できる限り額縁に入れて保管する人や、バラバラの大きさの賞状を折っておおよそ同じ大きさに揃える人など千差万別なのが実情のようです。
卒業証書は基本的に上質紙なので普通に保管すればそんなに劣化しませんが、カビの発生を防ぐためにも湿度が高くなりすぎない場所で、なおかつ直射日光の当たらない場所を選ぶことが大切です。
また賞状は、折り目などをつけずに美しさを維持したままコンパクトに保管したいものです。
近年では賞状ファイルを活用する人が増加しています。
賞状・証書に使われる紙について説明させていただきました。
KAMIOLSHOPでは、賞状や証書に使える用紙を取りそろえております。
予算に合わせて最適な用紙をご用意させて頂きますので、お気軽にご相談頂けますと幸いです。